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5.全日本ダートラチャンピオンの田嶋氏(前スズキスポーツ社長)の車輌テスト

私はOS技研の社員ではなく要請が有った時だけ出かける外部の協力者(ドライバー兼アドバイザー)という立場だったので田嶋氏と面識は無かったがダートラの国内チャンピオンになった車輌のテストもした。当時田嶋氏は日産のディーラーに勤めていたので日産車をベース車輌にしたのだろう。
私がテストした車種については記憶があいまいなのであえて明記しない。
これら一連のテストで様々な思い出が有るが鮮明に憶えている事を一つだけ取り上げるなら田嶋氏が最終戦の鈴鹿でシリーズチャンピオンに決定しその車輌を翌シーズンに向け整備・改良する為にOSへ持ち込んだ時岡崎社長からテストの要請があり吉井川でテストした時ギアにわずかな違和感が有り数分で走行を中止した。社長は鈴鹿でチャンピオンを決めてそのままの状態だから問題無いのでテスト続行する様に言ったが自分としては違和感を覚えたまま続ける事は出来ないので中止した。

工場へ運んで早速ギアボックスを分解したら何と!2速?か3速?ギアを組み間違えている事が解った。
当時OSではギア比を優先する為一つのギアボックスの中にモジュールの違うギアが混在していたので噛み合わせるギアの歯数は同じでもモジュールの違いで組み合わせが出来ないギアが有った。本来は同一モジュールのギア同士を組み合わせるべきだが相手ギアのモジュールが小さかったので噛み合わせが浅く歯先だけが噛み合っている状態だった。
そんな状態でトルク変動の大きなダート路面で破損しなかったのは幸運としか言い様が無い。自分の判断でテストを中止した事は結果として正しかった。
この件で社長は高い排気音と各部から発するビビリ音で些細な音は聞き取れないのに私がどうして感知出来たのか不思議に思ったのだろう。私には元々そういう能力が備わっているので過去にも同じ様なケースは多々有ったが「どうして?」と聞かれても感覚なので他人にうまく説明出来ないのだ。私にその様な感覚が有るので50回位参戦したレースでエンジンを壊してリタイアした事は1度しか無い。

テストドライバーに求められる条件はいくつか有るが主たるものは問題点を正しく指摘する事と改善の方向性を示す事だがそれにも増して大切な事は壊さない事だ。壊してしまうと問題の有る部分だけでなく周辺部も同時に壊して原因の特定が困難になり開発が遅れてしまう。


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アオキエンジニアリングのブログです。
アオキエンジニアリングは、フロンテクーペとFLBレースで培った技術とノウハウを活かし、フロンテエンジンのリビルド及びチューニングの他、メッサーシュミットと旧車二輪のリビルド及びレストアを行っています。

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